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HOME > 講義・ワークショップ > 講義・ワークショップ等の報告 > 第9回「高度専門キャリア形成論Ⅰ・Ⅱ」の講義報告です

講義・ワークショップ講義・ワークショップ等の報告

第9回「高度専門キャリア形成論Ⅰ・Ⅱ」の講義報告です

2014年03月06日

平成26年2月28日(金)、品川キャンパス白鷹館2Fに於いて第9回高度専門キャリア形成論が開催されました。 

キャリア開発室の松山先生の司会進行で、講義と発表および質疑応答が恙なく進行しました。

高度専門キャリア形成論の講義

『大学院博士課程修了者への社会的受容とキャリア支援』と題して、キャリア開発室の神田副室長が講義をされました。大学院と学部の関係、ならびに大学教員および研究者を養成することへの影響等について、時代を追ってその政策的背景と共に分かり易く解説されました。

 大学院が、大学教員および研究者を育てることが目的であった当時は、研究職を目指す極めて少数の学生だけが大学院に進学していた。また、大学院側も、大学教員および研究者の需要がある分だけしか学生を受け入れなかった。その後、「大学院の量的整備」および「大学院重点化」の政策が、大学に予算増と定員増をもたらした。また、これらに関連付けられた「ポスドク1万人計画」によって、ポストドクターの数は増え続けたが、その先がどうなるかについては考えられていなかった。大学教員や公的研究機関の定員は減少傾向が続いており、大学教員や研究者への門は益々狭くなってきている。
 海外では企業トップも含めて博士号保持者が多く、日本とは全く事情が異なる。研究能力や技術開発能力等をしっかりと身に付けた人達が、もっと社会に出て活躍して欲しいと考えている。高度専門キャリア形成論の講義は、大学院博士課程修了者がスムーズに社会に出て、活躍できるようにすることを目的としている。大学教員、企業およびPD・DCの三者が、それぞれの問題を転換し、諸外国のようになることができれば、大学院問題は解決できると考えている。
 皆さんにも、大学院を出て社会で活躍する道もあるということを知って欲しい。キャリア開発室では、様々なプログラムを用意しているので、ぜひ相談に来てください。

【Q/A】企業側の対応状況はどうか?
企業が博士の採用を考え始めると共に、そのための人事制度改革が少しずつではあるが進んでいる感触がある。今後は、更に改善が加速されることを期待している。

また、松山先生からは、「大学の中にいても、聞く機会が少ない内容であったと思う」と感想が述べられました。

大学院生による発表

◆『高度専門キャリア形成論の講義を受けて感じたこと』と題して、西村友宏さん(MC2)の発表があった。

西村さんは、既に就活を終了しており、本来の対象者とは違うかもしれないが、それでも高度専門キャリア形成論が非常に役に立ったことについて発表がありました。

 学部生の頃は就職を安易に考え、MCでも研究の忙しさを理由にして、就活のための情報収集が疎かになっていたと感じている。今になって考えれば、選択の幅がもう少し有っても良かったとのではないかと思っている。
 ポスドクとは何かも知らなかったが、実際に企業の研究者と話すこともできたし、様々な仕事について知る機会も得ることができた。特に、面接官の視点からの講義が印象的で、自分に必要なことは何かを知ることができた。講義を通して様々な情報を入手することができたことは、非常に有意義であったと考えている。もっと早い時期に講義を受けていれば、就活にも活用できたであろうと考えている。従って、特に学部の学生にもこの授業を聞いて欲しい。 

◆『研究科目 長期インターンシップ』と題して、佐藤誠浩さん(DC2)の発表があった。

「長期インターンシップで博士がどのように活かせるか」がテーマであると前置きがあり、佐藤さんの人柄が良く表れた、楽しく、ユニークな発表が始まりました。

 研修期間中は、得意なプログラミング技術や、理論を重視する姿勢等を仕事に活かすことができた。しかし、ほとんどは初めてのことであり、それが新鮮でとても楽しく感じられた。キャリア開発室がきっかけを作ってくれたことにより、自分を磨くことができ、経験値を増加することに役立った。また、逆に博士のイメージを企業に伝える役割も兼ねることができたと思っている。
 一方で、キャリア開発室の改善点として、長期インターンシップに対するイメージアップを図り、研究の発展にも貢献できることをもっと伝えるべきである。また、生物を扱う人や、船に乗る人にとっては、インターンシップ経験者と対等に情報交換する場を提供することが、とても有効だと考えている。

【Q/A】研究との兼ね合いを考えると、DCはいつ長期インターンシップに参加したらよいか?
確かに、長期インターンシップと研究の両立は大変だったが、実際に乗り越えてみれば大きな問題ではなかったと考えている。実際にはDC1で経験したが、とにかく早い時期にできて良かったと思っている。

今年度の最終講義にあたり

『私からみたPDのキャリア開発』と題して、キャリア開発室の瀬川先生から講演がありました。
初めに、瀬川先生は子供の頃から生物の飼育が好きで、将来はこの分野で仕事をするか、音楽家になることを考えていたと自己紹介がありました。

 学生時代の夏休みに、先生と一緒に研究の手伝いをしたり、真珠の養殖場で働いたり、銚子で研究の仕方を教わる機会を得たこと等は、自分自身にとってのインターンシップであったと考えており、とても良い経験であった。また、企業に就職した後も、養魚場で1年半の試験・研究を経験することができた。ここで得られたものが、その後の人生の種になったと思っている。色々なことをやることにはリスクがあると思うかもしれないが、現場に行ってみれば何とかなるものである。
 博士が企業で活躍できるか?という疑問を持つかもしれないが、私は誰でもできると思っている。自分の得意な部分(やりたい仕事)をやれれば楽しいが、嫌いなものはやらなければ良い。しかし、好きになれそうにもないものの中には、好きになれるものもあり、できないことの中には食わず嫌いもある。
 物事をポジティブに見ることは大切で、目標を持って、効率良く取り組めば上手く行くこともある。チャレンジし、目標に向かって我慢して頑張ることの大切さは、講義の中で共通して述べられていた。環境が変わっても、努力すれば短い時間で成果を出すことができるので、皆さんも頑張って欲しい。


最後に松山先生が、「人は様々な挫折を経験していると思うが、それを乗り越えて大きく成長していく。失敗を恐れずチャレンジし、それを糧にして生きることが大事です」と述べて、本年度の最後の講義を締め括りました。 

以上

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